受験を乗り切る3要素3 「学習の形(カタ)」

前回に続き、受験において一番大切だと思う3要素について書き留めておきたいと思います。

その3要素とは「やる気管理」「学習戦略」「学習の形(カタ)」です。
受験というのは基本的に頭脳的な才能がなくとも結果は出せます。豊富なやる気(モチベーション)の上で、正しい学習戦略と正しい学習の形(武道のカタと同じです)をもって相応の時間学習すれば、極端な話、だれでも東大を目指せると思います。

勉強の罠

入塾のお問い合わせを受ける際、「勉強しても成績が上がらない」「勉強の仕方を教えてやって欲しい」といったご相談を頂くことがよくあります。
実際に面談してみた際に、「定期試験の対策は何をしたの?」と聞くと、「英単語の記憶カードを作った」「国語の巻末問題を解いた」「数学の板書ノートを見なおした」など帰ってくるパターンが多く、私はふむふむと答えつつ、心の中では「やっぱりな笑」と思わず笑ってしまいます。

誰しも陥る罠かもしれませんが、彼らは「勉強したふり症候群」に陥っていたのです。

英単語の記憶カードを作ったり、数学の板書ノートを見なおしたりするのは確かに時間がかかります。それで勉強をした気になっているのです。
肝心なのは、
その英単語は覚えられたのか?
国語の筆者の主張やその根拠は理解できたか?
数学の公式を理解し、応用できるようになったか?

といった点にあります。
いくら単語カードを作ってもその単語を覚えてなければ意味がありません。

学習の形(カタ)の大切さ

「勉強したふり症候群」の学生さんたちには、

  • 学習とは、出来なかったことが出来るようになること
  • この学習では何が出来るようになるのか
  • その成否はどうやって測るか

といった3点を意識するよう指導します。
武道でも形がありますが、私はこれが勉強における形だと考えています。
この3点を無意識に実行出来れば、あらゆる学習が着実に前に進むようになります。

形を身につけられていない段階では、学生自身もついつい「出来たことにする=自分に嘘をついてしまう」ことが出てしまいます。
常に横にいられないので、私は、3点の問答や成否を測ることに重点を置くことにしています。