前々から気になっていたテーマなので、実情と原因について少し調べてみました。
※根拠としているデータ、理屈ともに不正確な可能性がありますので、あくまで1推論としてお読み頂けたら幸いです。
和歌山県の東大合格者推移
まずは、どれだけ減っているかというデータを探してきました。
1.1975年14人
2.2005年32人
3.2010年〜2014年平均 15.8人
<参照元と注意点>
http://todo-ran.com/t/kiji/12088
http://homepage3.nifty.com/katu-kobayashi/hiroshima/toudai_05.htm
※3の記事は他府県からの越境者も和歌山の実績として含まれていることが名言されていますが、1、2の記事ではその点不明です。
※原資料を確認出来ていませんが、概ね、周囲の人との実感と共通しているようです。
智辯和歌山の実績を確認すると、2005年は大豊作の26人であり、例年は16人〜21人程度だったことを考慮すると、2005年近辺の実質県全体合格者数は25人程度だろうと思います。
1975年以降の和歌山東大合格者数の流れ
1975年〜2005年の増加は、素直に考えて和歌山県下における私立高校(というか智辯和歌山)の隆盛によって大きく実績を伸ばしたことが要因でしょう。
一方、2005年以降から現在まで、平均10名程度減少しています。智辯和歌山のウェブサイトを見ると2013年度は6名、2014年度は5名と減少しており、智辯和歌山の実績低下がそのまま県全体の進学実績に影響を与えているように読み取れます。
和歌山県の東大合格者数が減った理由
ここからは県の教育関係者の方からのご意見も含みます。
県下の東大合格者数が減少した理由は大きく2つの要因がありそうです。
1つは大阪私立高校の無償化政策。当時の橋本徹知事の号令で2010年度より大阪の私立高校の無償化政策が実施されました。これによって今までは和歌山県内の私立高校へ進学していた層の少なからぬ部分が流出したと言われています。(2005年頃は少なからぬ大阪府の生徒が智弁などの県北部の私立高校へ進学していました)
もう1つは桐蔭中学校・向陽中学校の開校。2005年前後から和歌山の伝統校である両校でそれぞれ中高一貫教育が開始されました。これによって今までは私立へ進学していた県内出身の層の一部が両校へ進学するようになったものの、両校において東大合格者が出ていないことが減少の一因かもしれません。(向陽は過去3年間で1名、桐蔭は過去5年間で5名、東大合格が出ています。)
さらに和歌山県の私立高校の指導力低下、県全体の若年層の基礎学力低下という要因もあるかもしれませんが、それを明確に裏付ける理屈・根拠は見当たりませんでした。
※2018/07/03追記
桐蔭・向陽の生徒の学力が非常に高いと感じています。平均的な生徒の学力を比較すると、近大付属・開智を凌駕し、桐蔭高校の場合は智辯和歌山と同等かそれ以上と感じます(上位層で比較すると、まだまだ智辯の独壇場でしょう)。その割に両校における進学実績が伸びていないことは、公立校ならではの指導方針によるものでしょうか。非常に歯がゆいです。