科目別学校の定期テスト対策
英語・数学・国語の科目ごとにテスト対策のポイントをお伝えしたいと思います。
英語の定期テスト対策
まずは英語の定期テスト対策について説明します。
桐蔭・向陽・智辯和歌山
学校の定期テストの傾向と対策
教科書と問題集、プリントが試験範囲の中心となることが多いようです。量もそんなに多くなく、コツコツやれば問題なく定期テスト対策は可能です。
- 教科書の本文を確実に暗唱すること
- 文法問題集を3週以上通ること
- 新出英単語を完璧に覚えること
が定期テスト対策の基本となります。智辯和歌山は発音記号やアクセントの問題が出ることが多いので、普段の勉強の中で単語の発音や発音記号の確認を怠らないことが重要です。発音記号は書ける必要は全くありませんが、読めた方が何かと便利です。
塾活用のポイント
中学校、特に中1や中2の間はそんなに難しい文法事項もないので、塾通いよりも家庭での学習がより重要です。上述の暗唱や暗記作業を毎日30分ご家庭で時間を作れば、それで十分だと思います。逆に言うと、おうちの人が忙しく、なかなか勉強のペースが掴めないということであればその役割を塾に期待しても良いでしょう。また、発音記号の読み方やフォニクス(英単語のスペルと発音の組み合わせの学習)は学校ではあまりやらないところなので、そこだけ中学入学前に押さえておけると英語の学習が楽になります。
また、定期テスト対策とは文脈が逸脱しますが、中学受験終了後の1月から3月にかけて集中的に取り組めば、中1の範囲の英語を終えてしまうことも可能なので、そういう貯金を作っておくことも塾活用のポイントかと思います。
開智中学校
学校の定期テストの傾向と対策
桐蔭・向陽・智弁和歌山は試験範囲の教材をきっちり完璧に仕上げていくことが可能で、それを定期試験対策のゴールとすべきだと思います。一方、テスト範囲の量が多い場合、全て完璧にこなすことはかなり難しいでしょう。私が知る限り、開智中学校はそのような傾向がありそうです。試験範囲が膨大だと全てを完璧にこなす、という目標は難しいので、普段の予習・宿題・復習をきっちりこなしていくことに焦点をあて、テスト対策は特定の教材に絞らざるを得ないと思います。特定の教材は単語帳や教科書など、比較的範囲が限定されており、網羅的に学習可能なものが良いと思います。(膨大な量の英作文プリントを配られた学年は、それらを暗記作業するのは無理でした。)
塾活用のポイント
試験範囲が膨大だと、塾の立場からすると責任をもってきっちり仕上げるのはかなりやりづらいです。マンツーマンで週2,週3来て頂けるのであればやりようはありますが、一般的には生徒本人の頑張りに依存せざるを得ないと思います。当教室で成績が伸びた開智生は、塾用の教材で効率的に復習〜先取り学習を出来た生徒です。短期的に改善することは難しいですし、学校の宿題以外の負担が増えるので、生徒本人としても覚悟が必要かもしれません。
数学の定期テスト対策
次に数学の定期テスト対策について説明します。
智辯和歌山・開智中学校
学校の定期テストの傾向と対策
数学は学校ごとにやることが変わるということはありません。大学受験対策でも述べたように、学校の教科書・問題集を徹底的にやり込むことが唯一の道だと考えています。目標は教科書・問題集の全ての問題に2回以上正解することです。それしかありません。
そのためにはかなり前もって学習計画を立て、勉強時間(演習時間)を確保することが重要です。数学のテスト対策の成否は環境と仕組み作りにかかっています。余裕を持った学習計画を立て、それらを実行していく仕組み、分からない問題をサポートする環境を整えましょう。
塾活用のポイント
上で述べたように、
- 余裕を持った学習計画の作成
- 計画を実行していく仕組み
- 分からない問題を解決できる環境
という3つの要素が数学の定期テスト対策に有用です。これらを自前で準備出来るのであれば、数学の塾は不要だと思います。確かに、公立中学校から高校受験を目指すためには学校の授業では物足りないことがあるので、塾で授業を受けることに合理性はあります。しかし、学校の授業がしっかりしている中高一貫校の場合、学校でも塾でも授業を受けるということは無駄が多いように思います。
ただし、既に学習にかなり遅れが出ており、前の学年の内容も覚束ないという状況では考え方が変わります。因数分解が出来ないのに2次関数や3次関数の問題が解けないように、数学は基礎からの学びの順番が大変重要な科目です。基礎が分かっていないのに応用に時間を使っても時間の無駄となるでしょう。ここ1年以上数学の成績が大きく低迷している状況であれば、目先の定期テスト対策はいったん諦めて、一刻も早く負債を返済することに時間を費やすべきです。
桐蔭・向陽中学校
学校の定期テストの傾向と対策
最近、思考を問う問題が出題されます。これは問題集をただやるだけでなく、授業中に取り上げられた思考問題にじっくり取り組んでおく必要があるため、上述の私立中学向けの内容に加え、ノートやプリントを見直しましょう。
国語の定期テスト対策
最後に国語の定期テスト対策について説明します。
桐蔭・向陽・智辯和歌山・開智中学校
学校の定期テストの傾向と対策
個人的には現代文の定期テスト対策に過度にこだわるのには疑問を持っています。というのは、大学受験や社会経験では、初見の文章の要旨を素早く的確に掴むという能力を求められるのであって、既に学校で何度も読み込んだ文章の教師が教えた要旨を書く練習をしても意味がないと思うからです。
ですから、国語(特に現代文)の定期テスト対策はテストで90点100点を目指すのではなく、せっかくの定期テストという機会を大学受験のため、そして自らの教養のために活用する、その結果としてテストの点数もある程度ついてくる、という考え方が健全なのではないかと考えています。
大学受験対策でも述べたように、重要なポイントは以下の3つです。
- 新出漢字の習得
- 新出語句の暗記
- 本文の音読
国語力はどれだけの漢字や語彙を操れるか、どれだけの良質な文章に触れてきたか、という技能や経験に大きく依存します。日本語でもドイツ語でも、語彙の習得なしに、お手本となる文章のインプットなしに習得することは不可能でしょう。国語の教科書に出てくる文章は名文ばかりです。漢字や語彙の習得に加え、徹底的に良質な文章を音読することによって日本語の感覚を身体に染み込ませることが出来ます。もちろんテスト対策としても効果がありますが、その蓄積は大学受験のみならず一生の財産になります。
コツはなるべく勉強時間を取らないことです。家に帰って他にも宿題がある中で、地味な漢字練習や音読をするのは結構たいへんだと思います。なるべく勉強机には座らないでこれらをこなしましょう。具体的には、新出漢字や語句に関しては、学校の授業中にノートやルーズリーフにまとめてしまいます。英単語などに比べて数も少ないので、授業中のちょっとしたすきま時間に書き取りの練習や暗記チェックを行えば、それで十分でしょう。音読は、勉強の合間に行います。数学や英文法など頭を使う勉強をして疲れたら、机から離れて立って(もしくはウォーキングなどの運動をしながら)音読をします。数学などで疲れていても、意外と音読は出来るものです。それどころか音読をしてるうちに数学などで疲れていた頭が回復することもあります。専門家でないので、確たることは言えませんが、数学などの思考系の学習と音読では脳を使う場所が異なるのではないかと考えています。
塾活用のポイント
既にお分かりかと思いますが、国語(現代文)のテスト対策で塾が出る幕はほとんどないと思います。塾では初見の文章の要旨を如何に素早く的確に読み解くか、という読解の手法を指導させて頂きますので、大学受験という文脈でご利用頂くのが良いと思います。