文脈を知らずに読むのは火星語を翻訳するようなもの

最近、各読解クラスでは、センター試験、国公立2次(東大慶応その他医学部等)の過去問を解きつつ、空いた時間にリンガメタリカを読み進めています。

話題別英単語 リンガメタリカは哲学、医療倫理、テロ問題など、話題別に英文が掲載されており、各分野の大まかな論点と専門単語に触れることが出来るという長文読解読本です。(左に英文、右に日本文)

リンガメタリカは比較的簡単な英文が多いので、とにかく量をこなすという面でももちろん重宝しますが、この、”色々な話題に触れる”という特徴が思った以上に充実した学びに繋がっています。

19世紀以降の歴史―産業革命、社会改革、帝国主義、冷戦の成立とその崩壊、21世紀の3極構造などなどーのキーワードを上げればキリがありませんが、これら全てが現代に繋がっていますし、現代の文章の裏にはこれらのキーワードが暗黙の文脈として存在することが多いです。これらを知らずに文章を読むなんて大変です。たまに学生が火星語を翻訳したような日本語訳を言うことがありますが、それもありなん。文脈を知らない彼らにとって、火星語を翻訳しているようなもんなのでしょうね。
テロの話題を一つとっても、智弁の子でさえ、9.11やウサマ=ビン=ラディン氏のことを知らないのです。(2015年現在17歳だとすると2001年は3歳ですもんね・・)

そんな中、リンガメタリカは英語の勉強と称して近現代史の講釈を垂れる基礎教材として非常に優れているのであります。近代化の功罪、冷戦の残したもの、命とは何か、など色々なテーマについて議論をかわすことができます。
高校生にも大人にもおすすめの英語読本です。