タイトルの通り、諸事を独学で学ぶための方法指南書。
・戦略
・インプット
・抽象化・構造化
・ストック
まで知識を「使いこなす」独学システムについて述べている。
気になったのは以下の点。
情報入手戦略
そもそも、どんな情報に触れて、何を学ぶべきか、という戦略について述べられているのが新鮮な観点でした。
仕事をしていく上で自身の強みをどこに置くか、という観点で頭に入れる情報を選ぶ。頭に入れるべきでない情報(例えば:国会劇場や芸能ゴシップなど※)を捨てることも重要。
※頭に入れるべきでない情報は人によって異なります。また、趣味として楽しむための情報収集を否定するものでもありません。
学びの稼働率をあげる
一次情報と二次情報の違いに注意すべきです。
例えば、多くのビジネス書は古典・名著(一次情報)と言われる一部のビジネス書の焼き直しであることが多く、内容が歪んでいたり薄まっていたりします。
入門として、初学者向けに書かれた二次情報に触れることに意味はあるかもしれませんが、なるべく原典に触れるよう意識したいです。
目安として、5冊入門書を読み、5冊の専門書を読めばその分野に関する一定の見識が身につくとのことです。
インプットとアウトプットの量的関係
長期的にアウトプットとインプットの量は釣り合う。しかし、名前が売れて、仕事が忙しい時期はインプットの機会費用が高く、十分なインプット量を確保できない。世の中に”一発屋”が多いことはこれが理由ではないかとの示唆。
従って、暇な時に大量にインプットすることが将来の継続的なアウトプットのために必要不可欠であるが、将来必要となる情報を事前に予測してインプットを行うことは難しい。
結局、無目的なインプットを無差別に行うしか方法はなく、しかしそれが重要であり、将来的になんとなく役に立ちそうなものへの嗅覚を持つことが重要である。
構造化
構造化とは、集めた情報から得た仮説(問いかけ)を他のテーマに紐付けること
テーマ
テーマとは、自分が仕事を行う上で知りたい疑問。(部下のモチベーションを上げる最適な方法は何か?etc..)テーマは5個から7個持っておくとよい。普段疑問に感じたテーマやもっと具体的な問いをメモする習慣を持つとよい。
ストック
ストックとは「貯蔵・保存」を意味する。
忘れてしまう前提で、頭に入れた情報は何かの媒体に保存しておき、必要な時にすぐに取り出せるようにしておく。その為に必要な手段が読書ノート。
読書ノートは、検索性やマルチデバイス対応による使い勝手からevernoteなどのクラウド型の電子媒体が望ましい。
情報を読書ノートに書き込む際には5W1Hを明確にする。5W1Hが曖昧な情報は第三者に語った際に信憑性を疑われる。
ビジネス書はできるだけ名作を抑え読書ノートを作らない。
ノートは示唆(仮説)を抽出するために作る。そのため、歴史書や物語などビジネスに直接影響しない情報からは普遍的な示唆を抽出する作業が必要であるが、ビジネスそのものについて取り扱うビジネス書からは示唆を抽出する作業を必要としない。
反対に教養書は雑多な本を幅広く読み読書ノートを作るべきとのこと。
その他
スタンフォード大学の教育学心理学教授のジョンクランボルツは成功したビジネスパーソンはどのようにして距離を計画しそれを実行していったのかを調査した。調査の結果、キャリアの8割は本人も予想しなかった偶発的な出来事によって形成されていることがわかった。
レオナルド・ダヴィンチの言葉
ー欲求を伴わない勉強はむしろ記憶を損なう
ヘーゼルの弁証法的解釈によると、寺子屋→公立学校→ICTへ至る教育の変遷は当然である。