なんで勉強なんかしないといけないの?
子供に聞かれて、最も答えに詰まる質問の1つですね。
私は自信を持って、10代のうちに勉強を頑張ることが良いと言えます。同じ条件ならば、勉強を頑張った人生の方が何も頑張らなかった人生より絶対に楽しいです。今回は学生時代に勉強を頑張るべき理由を書いていきたいと思います。
広がる可能性
大学受験を終えたあとも、私は勉強をし続けました。大学では経済学を専攻し、ミクロ経済・マクロ経済、資本主義、金融工学、現代ポートフォリオ理論など、価値のあることを身に着けました。これら大学で学んだことも大切ですが、それ以外に大学(学校)の外で学んだこともたくさんあります。
- ウェブサイトの制作(html/css/php)
- SEO・リスティング広告などのネットマーケティング手法
- デザイン論/色彩学
- Excelやphotoshopなどのソフトフェアの使い方
- 資格
- 宅地建物取引士
- AFP
- 不動産
- 不動産鑑定手法
- ビル設備
- プロパティ・マネジメント、アセットマネジメント
- 経営分析
- プログラミング(java)
- 戸建住宅の鑑定・コンサルティング
- 木工作
これらはいずれもとても役に立つ知識で、私の宝物です。しかし、簡単に身につくものではありません。本を何冊も読んだり、数字と向き合ったり、英語のコミュニティに情報を取りに行く必要がありました。これは、まさに国語力、数学力、英語力です。特に、文章を読み意味を把握する国語力、課題に対して幅広い仮説を検討し、結論へ導くために思考する数学力はとても役に立っています。
国語力や数学力は知識ではなく、筋肉です。短時間に身につくものではなく、つらい演習を繰り返してようやく身につく類の技能だと思います。大人になってから身につけるのは極めて難しいのではないかと思います。
経済的な豊かさ
あなたの生涯年収は2億円ですか?5億円ですか?
生涯年収という言葉を聞いたことはあるでしょうか。ある人が学校を卒業してから定年まで働くと仮定した場合の給与の総額です。(本稿では会社員に限ったお話をします。)
独立行政法人労働政策研究・研修機構によると、男性は中学卒 1 億 9 千万円、高校卒 2 億 1 千万円、高専・短大卒 2 億 1 千万円、大学・大学院卒 2 億 6 千万円程度が平均値のようです。(数学の統計で平均値・中央値は習いましたか?中央値で見ると、実態はもうちょっと少ないでしょうね。)
一方、生涯給料が高い「全国トップ500社」ランキング/東洋経済新聞社のサイトによると、企業によっては5億円を超える生涯年収があります。また、一般的には中小企業より大企業の方が生涯年収が多い傾向があるそうです。「勉強していい大学に入って、いい企業に勤めなさい」という教えは現在でも一理あるということがわかります。
これからの日本は若い人たちが生産した財やサービスを高齢者への福祉や老朽化したインフラに消費せざるを得ず、それは莫大な負担となります。余った残りを若い人たちで分配したところで、ますます貧しくなっていくでしょう。親世代がしてくれたことが、自分たちの代で実現出来ないかもしれないのです。
収入が高い=幸せである、とは限りません。しかし、大学受験や就職活動の結果がこれほど大きな影響を及ぼすことは念頭に置くべきでしょう。
大人になってから勉強しても遅いか?
遅いです。
先述した国語力、数学力などの思考の筋肉がついていないと、大人になってからの勉強は難しいです。大人になってからの勉強は本や文献を読むことがほとんどで、塾や家庭教師が分かりやすく教えてくれる、ということはあまりありません。では、大人になってから数学や国語を勉強しますか?読む力が低い状態で大人の勉強(資格など)をするにせよ、数学や国語などの頭の筋トレ系の勉強をするにせよ、ほとんどの人は大人になってから行うことは難しい(=強い忍耐力が必要)でしょう。
まず、大人は生活費を稼ぐ必要があります。一般的に週5日勤務で1日8時間以上拘束されます。さらに、炊事・掃除・洗濯・育児など身の回りの家事を行う必要があります。趣味の時間を削ったとしても、平日数時間+土日くらいしか時間が取れません。
また、労働にはストレスや疲れが伴います。家事も多くの人は出来ればやりたくない労働でしょう。(「君疲れてるね!息抜きに御飯作って掃除・洗濯でもしたら?」なんてことは成り立たないですよね。)仕事や家事が終わったあとの夜の時間はビールでも飲んで、趣味に興じたいし、土日は寝てるか遊びに行ってストレスを発散したいでしょう。その時間に勉強するのは大変です。
既に頭の筋肉(読む力、考える力)がついている人が興味のある内容を学ぶことは普通に可能です。しかし、若年期の訓練をおろそかにしていると、いくら興味があっても頭がついていかない、すぐに疲れてしまうということが起こります。今さら、数学や国語に挑戦するのもよほどのやる気がないと難しいでしょう。若いうちの頭の訓練はゲームにおける「経験値取得率+50%」といったバフと同等です。一刻も早く習得し、有利に進めましょう。
キャリア(職歴)重視の風潮
転職市場が拡大し、色んなキャリア形成が可能になったとはいえ、現在の日本では大卒―新卒ルートが圧倒的に重要なのは変わりません。自身が望む業界、高待遇の企業に挑戦するのであれば、有名大学に入り、就職活動を頑張ることが最適解でしょう。第二新卒市場を経て転職市場になるとキャリア(職歴)が重視されるようになってきます。大人になってから頑張って勉強しても、「で、あなたはどんな素晴らしい仕事の実績がありますか?」と問われる世界になるのです。20代も後半になれば、自身の人生の選択肢がどんどん狭くなっていることに気付くでしょう。
まとめ
大人になってから振り返ると、学生は凄く羨ましいです。
仕事をしなくてもいいし、家事も(ほとんど?)やらなくていいでしょう?
自分の時間を勉強+自分のやりたいことにほぼ100%使え、その後には人生のボーナスタイムである新卒資格が待っているのです。さらに、仕事以外でも学びの速度が加速し、色んなことを身につけることができるようになります。勉強、がんばりましょう!
同じくらいの理由で部活動(特にスポーツ)にも精を出すべきなのですが、今回は割愛します。
ガリ勉じゃ駄目ですよ!