金融商品としての年金の評価について、調べる機会があったのでまとめます。
よくある年金解説サイトでは「いくら払っていくら貰える!」という短絡的な解答ばかりだったのですが、40年間かけて支払うものに対し、「いくら払って」と考えるのは乱暴です。それが投資運用であれば、毎年毎年利息が加算されるからです。
そこで、国民年金保険料として毎月16,000円払うとし、それを3%の利率で運用した上で、国民年金で得られるサービスが得かどうか計算してみました。
40年間で支払う保険料
約16,000円✕12ヶ月✕40年=7,680,000円
毎月16,000円を利率3%で・・・
65歳まで積立運用した場合…14,812,468円(税引き後13,385,974円)
70歳まで積立運用した場合…17,171,710円(税引き後15,273,368円)
75歳まで積立運用した場合…19,906,718円(税引き後17,461,374円)
※税金は復興特別所得税は考慮せず20%で計算
国民年金でいくら貰えるか・・・毎年780,000円
つまり、国民年金は、
毎月16,000円を40年間利率3%で運用した上に、
支給開始が65歳の場合は780,000円÷13,385,974円=5.82%
70歳の場合は780,000円÷15,273,368円=5.10%
75歳の場合は780,000円÷17,461,374円=4.46%
の利回りを生涯保証してくれるサービスであることが分かります。
日本人の平均寿命が83歳であることを考えると、支給開始が65歳というのは絶妙な数字ですね。平均まで生きればぎりぎり元本が返ってきます。その他遺族年金や障害年金もつくことを考慮するとお得な金融商品といえるのではないでしょうか。そもそも前提の利息3%での積立も昨今を考えるとかなりお得な利率ですからね。
ただし、平均寿命は変わらないのに支給年齢が75歳まで引き上げられるなんてことがあれば、平均寿命+10歳生きないと元が取れなくなります。さすがにあり得ないと思いますが。